ペインクリニックは、患者様の「痛み」を多角的に診断し、治療等を通じて痛みを軽減・取り除くことで、生活の質(QOL=クオリティ・オブ・ライフ)を向上させます。
何か無理をしたり、ケガをしたりすると身体には痛みが生じます。この「痛み」は、もともとは身体の異常を知らせる大切な反応です。しかし、ケガなどの原因が無くなっても痛みだけが残ってしまうこともあります。
痛みには急性痛と慢性痛があり、痛みの発生から3ヶ月未満の状態を急性痛といいます。急性痛は多くの場合、原因となる病態が改善することで痛み自体も減っていきます。しかし、病態が改善しても、身体が痛みというシグナルを出し続けてしまうケースもあります。場合によってはより強い痛みが生じたり、新しい痛みが加わったりと、最初の原因とは別に、身体的、精神的、社会的要因が関与し、慢性痛(3ヶ月以上経過しても痛みを感じる状態)になってしまうのです。このような状態に至ると、日常生活や社会生活に悪い影響が出てしまい、「生活の質(QOL)」が低下します。これは、患者様にとって望ましい状態ではありません。
さらに痛みが続くと「痛みの悪循環」に陥り、なかなか症状が改善しなくなります。加えて、抑うつ傾向や睡眠障害などの症状も現れ、不安やストレスの増加が痛みを助長させます。そのため、ペインクリニックの治療では、まず痛みの軽減をはかり、少しずつ痛みの悪循環から脱却できるよう治療していきます。