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ぎっくり腰

 

 

ぎっくり腰とは?その特徴と症状

ぎっくり腰は、突然腰に強い痛みが生じる疾患で、正式には「急性腰痛症」とも呼ばれます。発症から1ヶ月以内の腰痛を指し、多くの人が一度は経験する可能性があります。主な原因は、筋肉や関節、椎間板、神経への急激な負担です。日常生活で何気ない動作が引き金となり、腰に強い痛みが走るのが特徴です。

ぎっくり腰の主な症状

腰に強い痛みが生じ、前かがみになったり、体をひねったりすることが困難になります。症状が強い場合には洗面で前屈みになることが困難になるばかりか、立つ・座るなどの動作も難しくなり、動けなることがあります。またおしりの痛み(殿部痛)や足へ痛みや痺れ(下肢痛、坐骨神経痛など)を伴う場合もあります。

ぎっくり腰の原因

「くしゃみをした時」「物を拾おうとした時」「少しお辞儀をしただけ」「立ち上がろうとしただけ」など、些細な動作がきっかけで起きることもありますが、はっきりとした原因がわからないことも多いです。しかし、日常生活での姿勢や体への負担が日々蓄積し、筋肉や関節に負荷がかかり発症すると考えられています。

主な要因としては、

  • 筋肉や関節への過度な負担:重い荷物を持つ、急に腰をひねる、長時間同じ姿勢を続けるなど。
  • 筋肉の柔軟性低下:硬くなった筋肉はぎっくり腰を発症しやすくします。
  • 姿勢の悪さ:猫背や反り腰などの姿勢は腰への負担を増加させます。
  • 運動不足:体幹の筋力低下は腰への負担を増加させます。
  • 肥満:過剰な体重は腰への負担を増加させます。

主な障害とその種類:

  • 筋肉・筋膜の障害:筋肉や筋膜の損傷や炎症(例:腰部筋筋膜炎)。
  • 関節の障害:椎間関節症や仙腸関節障害による炎症や不安定性。
  • 神経の障害:椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症による神経圧迫。
  • 骨の問題:圧迫骨折や脊椎分離症・すべり症。
  • その他:感染症、腫瘍、内臓疾患(尿路結石、膵炎、婦人科疾患)、ストレスなど。

 

整形外科でのぎっくり腰治療

当院では、ぎっくり腰の痛みを和らげ、早期回復を促すために、以下の治療を行います。

お薬による痛みのコントロール

非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が主に処方されます。場合によっては、筋肉の緊張を和らげる筋弛緩薬や、神経の痛みに効果のある薬なども使用します。

ブロック注射による痛みの緩和

ブロック注射は、強い痛みを速やかに痛みを和らげる効果があり、早期に動ける状態を取り戻します。

リハビリテーション(運動療法)

痛みが落ち着いてきたら、腰回りの筋肉を強化し、正しい姿勢を維持するための運動を行います。これにより再発予防にもつながります。

 

当院でのぎっくり腰治療の特徴

当院ではエコー(超音波診断装置)を活用して、ピンポイントにブロック注射を行っています。これまで十分な効果が得られなかった方にも効果を実感していただける可能性があります。また、ブロック注射にはさまざまな種類があり、痛みの原因や症状に応じた適切な方法を選ぶことが重要です。当院ではこれらの技術に精通し、一人ひとりに適した多角的なアプローチを行います。

 

日常生活での予防と改善方法

ぎっくり腰を予防し、再発を防ぐためには、日常生活の中で正しい姿勢や運動を心がけることが大切です。

 

  • 正しい姿勢とエクササイズ
    長時間同じ姿勢を取らないようにし、適度に体を動かすことが重要です。また腰に負担をかけない姿勢を意識するとともに、腰回りの筋肉を鍛えることで予防につながります
  • 簡単なストレッチ
    腰周辺の筋肉をほぐすストレッチを毎日行うことで、ぎっくり腰のリスクを減らすことができます。

 

整形外科と整体・整骨院の違い

整形外科での専門診断の重要性

先に述べたように一言に「ぎっくり腰」といってもその原因は様々です。整形外科ではレントゲンやMRIなどの画像診断を用いて原因を特定し、科学的根拠に基づいた治療を行います。

 

整体・整骨院のマッサージとリハビリの違い

整体・整骨院では、主に手技によるマッサージで筋肉をほぐし、リラックス効果を高めることを目的としています。これは、筋肉の緊張を和らげ、血行を促進する効果が期待できます。

 

一方、整形外科のリハビリは、単に筋肉をほぐすだけでなく、以下のような目的で行われます。

  • 使いすぎている筋肉を緩める:マッサージと同様に、緊張している筋肉を緩め、柔軟性を高めることで、筋肉の過緊張による痛みを軽減します。
  • 本来使うべき筋肉を活性化する:知らず知らずのうちに使わなくなり、弱ってしまった筋肉を再び活性化することで、身体の一部分に集中していた負担を分散させ、痛みの根本的な原因に働きかけます。これにより、痛みの再発を防ぎ、快適な身体を取り戻すことを目指します。

 

  • 動きが悪くなった筋肉や関節を改善する:関節の可動域を広げたり、本来できていた正しい動かし方を練習することで、スムーズな動きを取り戻します。これにより、日常生活における動作の改善や、スポーツパフォーマンスの向上などが期待できます。

つまり、整形外科のリハビリは、筋肉のバランスを整え、身体全体の機能を改善することを目指しています。

 

 

 

Q&A:ぎっくり腰に関するよくある質問

ロキソニンなどの痛み止めを飲んでも腰痛が治らないのはなぜですか?

A. ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、炎症を抑え痛みを和らげる効果がありますが、すべての腰痛に有効というわけではありません。痛みが非常に強い場合や、神経の圧迫、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などが原因となっている場合、筋肉の炎症以外の要因が強い場合は、十分な効果が得られないことがあります。そのような場合には、神経ブロック注射や他の治療法(例:筋弛緩薬、神経障害性疼痛治療薬など)を検討する必要があります。当院では、患者様の状態を丁寧に診察し、原因に合わせた適切な治療法をご提案いたします。

 

ぎっくり腰のときに避けるべき行動は何ですか?

A. 以下の行動は避けてください:

・無理な動作や重い物を持つ:特に、中腰、腰をひねる動作や急な動きは避けましょう。

・長時間の安静:適度な安静は必要ですが、過度の安静は逆に腰痛を長引かせるという研究報告があります。無理のない範囲で適度な日常活動を行うことが回復を促進します。

 

 

 

ぎっくり腰は自然に治りますか?

A. 多くの場合、数日から数週間で自然に回復します。しかし、適切な治療や生活習慣の改善がなければ、症状が悪化したり慢性的な腰痛に移行したり、再発を繰り返すことがあります。早期の回復、そして再発予防のためにも、適切な治療を受けることをお勧めします。

 

ぎっくり腰に湿布は効果がありますか?

A. 湿布は、皮膚から薬剤を浸透させ、痛みや炎症を和らげる効果が期待できます。軽度の痛みには有効ですが、痛みが強い場合や深部の筋肉、神経に炎症が及んでいる場合には、効果が十分でないこともあります。その場合には内服薬や、当院では神経ブロック注射などの治療を検討いたします。

 

冷やすべきですか?温めるべきですか?

A. 発症から48時間以内は炎症を抑えるために冷やすことが推奨されます。その後は、温かいタオルやお風呂などで温めることで筋肉の緊張を緩め血行を促進し、回復を促す効果が期待できます。

 

病院を受診するタイミングは?

A. 次の症状がある場合は早急に受診してください:

  • 痛みが強く日常生活に支障が出ている。

  • なかなか治らない。むしろ悪化している。

  • 足や腰にしびれや麻痺、筋力低下がある。

  • 排尿・排便障害がある。

  • 発熱、体重減少がある。

 

ブロック注射は一時的な緩和だけですか?

A. ブロック注射は一時的に痛みを和らげる効果があります。しかし単に痛みを止めるだけでなく、『痛みの悪循環(痛みが痛みを呼ぶ状態)』を断ち切ることで、神経の過剰な興奮を鎮め、炎症を抑え、血流を改善する効果も期待できます。その結果、長期的な改善につながることもあります。当院では、患者様の症状に合わせて適切なブロック注射を選択し、根本的な改善を目指した治療を行っています。

 

 

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