ハイドロリリースとは

医療機器と観察技術の進化によって、より詳細な観察が可能な超音波(エコー)検査を行えるようになり、コリや疼痛といった症状に筋肉を包んでいる筋膜の癒着が関与していることが近年になってわかってきています。それによって可能になったのがハイドロリリース(筋膜リリース)です。

超音波画像でリアルタイムに筋膜や周辺組織を確認しながら、筋膜へ正確に薬液（わずかな麻酔薬+生理食塩水）を注射して筋膜の癒着を剥がすことで、癒着によって妨げられていた筋肉の動きが改善して痛みやこりなどの症状を改善します。さらに、最近になって神経の癒着を剥がして痛み・痺れを解消できる効果も報告されています。

当院では、通常の治療では改善しにくいこりや痛み、痺れなどを対象にしたハイドロリリース(筋膜リリース)を行っています。

 

ハイドロリリースと痛み止め注射との違い

痛み止めの注射は麻酔薬を浸潤 させることで神経を麻痺させて痛みを取る方法です。 麻酔薬の種類にもよりますが、 麻酔の効く時間は1、2時間です。 ハイドロ リリースはわずかに 麻酔薬を混ぜますが、ほとんどは 生理食塩水という水分です。 薬液の 効能 で効果を発揮するのではなく、薬液が筋膜の癒着を剥がしたり、 神経の癒着を剥がすことによって効果を得ます。 そのため 持続時間が単なる痛み止めの注射と比べて長いことが多いです。

 

 

しかし ハイドロ リリースも万能というわけではありません。 そのままにしておくと 筋膜や神経の再度癒着しますので、 リハビリで剥がしたものを維持できるように行うことが大切です。 また症例によっては ハイドロ リリースが無効で、ブロック注射が必要になることもあります。 ブロック注射は痛みを取り除くことで自律神経の失調を改善させ、 痛みによる恐怖心、 痛みの悪循環を断ち切る効果があり。 症状によってハイドロ リリース、ブロック注射をうまく使い分けることが大切です。